ところで、現在各自治体で取り組まれている行政の情報化のねらいは、つまるところ行政サービスの高度化とコスト削減である。高槻市では将来構想として取り組む10のシステムについて、期待される効果と現状での課題をそれぞれ分析している。システムごとに整理された課題は、行政の情報化に取り組む者に共通した課題である。すなわち、災害情報や窓口業務の自動化などは別として、消費者情報や産業情報は情報の質や鮮度、正確さなどが確保されなければ用をなさない。また、生活情報や産業情報など営利活動にもつながる情報提供は、公的メディアの性格からみて適切かどうか、魅力的な情報提供メディアであるための情報の豊富さを行政情報の枠の中でどう実現させるか、また、そのためのマンパワーをどうするか、という情報コンテンツの問題。また、投資コストやランニングコストが、実現されるサービスと釣り合いがとれ市民の理解が得られるものであるか、現在使用中のシステムと新システムとの整合性をどう持たせるかというコストの問題である。特に、最近の技術開発の急速なスピードアップは、計画したシステムが稼動するころには陳腐化してしまうような、短期間での機器の機能アップやコストダウンをもたらしている。しかし、システム立ち上げの時機に迷っていてはサービスは始まらない。